公益財団法人 エイズ予防財団
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エイズ予防対策事業(厚生労働省委託事業)

エイズ予防財団では、昭和62年の設立当初から、厚生労働省の委託を受けてさまざまな事業を実施してきました。
HIV感染者等保健福祉相談事業が最も早く昭和63年度に開始され、翌平成元年度にはエイズ治療啓発普及事業、相談員養成研修事業が実施されました。以後、エイズ対策の進展状況やHIV感染症のまん延状況を踏まえた委託事業の推移に応じた改廃、新設を行いながら、次のような各種事業を実施しています。

1  血液凝固異常症実態調査事業
血液製剤を通じてHIVに感染した血友病患者を中心に血液凝固異常症患者の病態を把握し、HIVだけでなく血液凝固異常症の患者に及ぶさまざまな障害について全国調査を行い、治療と生活の向上に寄与する情報を臨床医、患者、研究者等に提供しています。
調査は、医療関係者と患者による「運営委員会」が実施・運営に当たり、集計結果のHIV感染総数と累積死亡者数は厚生労働省エイズ動向委員会報告に反映されています。

2 HIV感染者等保健福祉相談事業
(1) 相談事業
全国のエイズ中核拠点病院に相談員(カウンセラー)を配置し、HIV感染者・エイズ患者等からの各種保健福祉に関する相談への対応や心理的援助を行っています。
また、財団内に専門相談員による電話相談室を設置し、フリーダイヤルの電話相談を実施しています。

(2) HIV検査
HIV検査を通じた感染者の発見とカウンセリングを効果的に行い、感染拡大の防止を図るため、特に感染者が集中している大都市において、利便性の高い休日の検査・相談事業やイベント等に合わせた臨時のHIV検査を実施しています。

3 HIV診療医師情報網支援事業
HIV感染症の臨床医等により組織された全国7ブロックの情報網に対して、情報交換や医師等の交流の連携・強化を図るための支援を行っています。
各情報網では、症例検討会や講演会等の開催、情報誌の発行、相談(電話相談)などの事業を行っています。

4 エイズ治療拠点病院医療従事者海外実地研修事業
地方ブロック拠点病院等の医師、看護師等をエイズ診療の経験が豊富な米国の医療機関に一定期間派遣して臨床実地研修、最新の医療技術習得に当たらせ、これら拠点病院における診療能力の向上や医療体制の整備を図っています。

5 エイズ国際会議研究者等派遣事業
隔年で実施されている国際エイズ会議とアジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)にわが国の研究者、NGOスタッフ、医療従事者等を派遣し、各国参加者との意見交換及びエイズに関する最新の知見取得によりエイズ対策の活性化を図ることを目的として実施しています。

6 エイズ国際協力計画推進検討事業
近年、HIV感染率の上昇がみられる東南アジア地域等を中心としたエイズ対策分野について、わが国としての国際協力のあり方を検討するための調査を行うことを目的として、専門家を現地に派遣し、調査・情報収集等を実施しています。

7 エイズ予防情報センター整備事業
財団からの幅広い情報の発信サイトとしてエイズ予防情報ネット(API-Net)を運営し、HIV/エイズの知識(エイズQ&Aほか)、HIV検査・相談情報、イベント情報、NGO活動情報、エイズ関連のマニュアル・ガイドライン等をインターネットで広く一般に提供することにより、HIV感染防止への寄与を図っています。

8 青少年エイズ対策事業
性に関する意思決定や行動選択に係る能力の形成過程にある青少年への啓発活動を実践するため、中学・高校の保健教諭、保健所保健師を対象とした科学的根拠に基づいたエイズ予防指導法の研修を実施しています。
また、ポスターの制作を通じてHIV感染症/エイズについて考え、これらに対する知識と予防の理解を深めることを目的として、全国の小学校・中学校・高等学校の児童・生徒及び一般からデザインを募集するポスターコンクールを実施しています。

9 エイズ治療啓発普及事業
エイズに関する正しい知識の啓発普及のため、世界エイズデー(12月1日)やHIV検査普及週間(6月1日~7日)のキャンペーン、各地のイベント等さまざまな機会を利用し、啓発活動を実施しています。
また、エイズ知識啓発普及用の小冊子、パンフレット、『エイズリポート』などの情報誌を作成して都道府県等に配布し、それぞれの啓発普及事業における有効活用に供しています。

10 ボランティア指導者育成事業
エイズNGO活動におけるエイズ患者・HIV感染者に対する援助体制づくり、HIV感染症/エイズについての正しい知識の啓発普及活動を推進するための指導者を育成する研修会を実施しています。

11 相談員養成研修事業
HIV感染者等からの相談に応ずる相談員の育成・技能向上を目的として、保健所、医療機関等においてエイズに関する相談・指導に従事する医師、看護師、臨床心理士等に対する医学的、社会的な知識の習得を図る研修会を実施しています。

12 エイズ中核拠点病院連絡調整員養成事業
より高度な医療を受けられる地方ブロック拠点病院に集中するHIV感染者・エイズ患者を地域の医療機関で受け入れるための調整を行う連絡調整員(コーディネーターナース)を養成し、HIV医療の連携体制を強化するための研修(派遣)等を実施しています。

13 HIV感染者・エイズ患者の在宅医療・介護の環境整備事業
HIV治療の進歩により長期存命が可能となったHIV感染者・エイズ患者への在宅医療・介護の環境を整備するため、訪問看護師や訪問介護職員への実地研修、かかりつけ医や地域の歯科医への講習会、HIV感染症・エイズ診療支援チームの派遣を行っています。