エイズとHIV感染は同じではありません
エイズ(AIDS)とは
英語のAcquired Immunodeficiency Syndromeの頭文字をとったものです。
日本語では「後天性免疫不全症候群」といい、生まれた後にかかる(後天性)、免疫の働きが低下すること(免疫不全)により生じる、いろいろな症状の集まり(症候群)という意味になります。
HIV/エイズってどんな病気?
1)エイズはHIVに感染することによっておこる
HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染します。そして、からだを病気から守っている免疫力を破壊していきます。
2)HIVに感染してもすぐエイズを発症するわけではない
HIVに感染すると、通常6~8週間経過して、血液中にHIV抗体が検出されます。感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、この症状からはHIV感染をしているかどうかを確認することはできません。HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。

その後、自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、さらに進行すると、病気とたたかう抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力でおさえることのできる病気(日和見感染症とよばれる)などを発症するようになってしまいます。
このようにして、抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な23の指標となる疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズ発症と診断されます。
現在はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
日和見感染症とは
免疫力が低下すると出現する感染症です。代表的なものに、カンジダ症、ニューモシスティス肺炎、サイトメガロウイルス感染症などがあります。
また、エイズ発症の指標疾患のなかには、抵抗力が下がることで発症する悪性リンパ腫やカポジ肉腫などの腫瘍もあります。