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平成21年度 助成団体紹介
≪助成の特徴≫
 採択された5件のうち、3件は昨年度からの助成継続団体です。昨年度ティーンエージャー支援事業モニタリング委員会が各助成団体の活動をモニタリングしたときに出された評価や、本年度の選考委員会から寄せられた意見をまとめ、3団体にフィードバックしました。各団体が着実に組織を安定化させ、活動を発展させていくことが、2年目に求められています。
 また2件は、本年度からの新規助成団体です。どちらも学校現場を中心に、これまで若者へアプローチをしてきた経験をもつ団体なだけに、今後本助成によって活動がどう発展するかに期待が集まっています。
 北は岩手から南は大阪まで、助成団体の活動地域が点在したことにより、若者対象のHIV/AIDS予防啓発活動が、全国的な広がりを持つことも期待されています。
1.ティーンエージャーと教師が共に進める「生と性・AIDS教育」(継続)
団体名 IWATE:生と性及びエイズ教育を考える会(通称:LSA)
代表者 石田 陽治
主な活動地域 岩手
団体概要 “10代の若者が企画して予防・啓蒙活動を行う”ための機会として、ティーンズ作戦を実施している。また教育・医療・行政・その他で連携をしながら、教育する側のスキルアップを目的としたセミナーなども実施している団体である。
  設立: 2001年
  法人格: なし
  有給スタッフ: 0名
  無給スタッフ: 11名
  インターン/ボランティア:2名
助成事業内容
【1】 ティーンズ作戦U(10代の若者が企画して予防・啓蒙活動を行う)の実施
  ≪中学生・高校生対象≫
    @ 学校の授業で学習した事をもとにエイズレポートなどの作成
    A 以下の世界エイズデーイベントで展示・発表
  ≪世界エイズデーイベント(ハートフルエイズデー)に向けての活動≫
    @ 「ティーンズ作戦U実行委員会」の立ち上げ
    A 「ティーンズ作成U実行委員会」による活動方針の検討会
    B 世界エイズデーイベントのポスターコンクールの実施
    C ポスターコンクール受賞作品をもとにカレンダーを作成
    D カレンダーを岩手県下の全小・中・高等学校・特別支援学校へ配布
 
【2】教師対象の「生と性・AIDS教育」の研修会を実施
 10代の若者の心に響く「生と性の教育」や、適切な行動選択・予防行動ができるように積極的な「AIDS教育」の研修会を実施する。
推薦理由
 アプローチすることがなかなか難しいと言われている教職員への研修を、教育委員会の協力を得ることで、実現している団体である。また医師会、教育委員会、PTA、学生などが連携し、多角的に教育現場へアプローチしている点で、活動の発展性が高く評価されている。
 「ティーンズ作戦」をはじめとする若者を対象とした事業を強化し、より多くの10代の直接的な参加と、プログラムの運営を行う若者の育成に力を入れていってほしい。
2.高校生エイズフォーラムKANAGAWA(継続)
団体名 神奈川性・エイズ教育実践研究会
代表者 本間 利之
主な活動地域 神奈川
団体概要 高校生を主体とした運営委員会の運営によって企画運営される高校生エイズフォーラム(1年に1度)や、予防啓発街頭キャンペーンなど実施している。またHIV/AIDS感染防止ビジュアル教材の作成とその普及活動も行っている。
  設立: 2009年
     (1994年より継続していた神奈川県立高等学校性・
      エイズ教育実践研究会を引き継ぐかたちで設立された団体)
  法人格: なし
  有給スタッフ: 0名
  無給スタッフ: 1名
  インターン/ボランティア:4名
助成事業内容
【1】エイズ予防啓発のためのビジュアル教材の作製
  高校生によるHIV/AIDS啓発活動用のビジュアル絵本の企画・立案・作成
 
【2】エイズ予防啓発のための街頭キャンペーン
  @ やまと産業フェアにての予防啓発活動
  A 大学祭でのキャンペーン
  B 横浜男女共同参画センターでの高校生エイズフォーラム「ワークショップ」
 
【3】各地区での高校生等若者によるエイズ予防啓発の取り組みの喚起と交流促進
推薦理由
 これまで高校生エイズフォーラムを14年間継続してきた実績と、そこで蓄積したノウハウは、新しい団体で活動を展開するときに、最大限活用してほしい。
 昨年度から力を入れている教育教材のツールの開発と普及活動には、大きな期待が寄せられている。将来的には他の地域で同じような活動が広がるモデルとしての役割を果たすことを期待したい。
3.学校を中心としたHIV感染予防プロジェクト(継続)
団体名 プロジェクト コネクト
(※アデオジャパンのHIV/AIDS予防啓発事業を分離)
代表者 實川 いづみ
主な活動地域 東京
団体概要 東京都の保健所と連携をしながら、若者が若者の視点から教育現場での出張授業と、授業後のアフターフォローを積極的に行っている。また、研修会を実施し、スピーカーの育成も行っている。
  設立: 2008年
     (2003年からアデオジャパンとして同活動を実施していた)
  法人格: なし
  有給スタッフ: 0名
  無給スタッフ: 5名
  インターン/ボランティア: 8名
助成事業内容
【1】授業プログラムの継続
  @ 授業を実施することのできる学校・連携可能な保健所の開拓
  A 連携先のニーズに応じた授業の実施
  B 安定運営のため、授業を実施した学校、連携した保健所での予算確保にむけた調整
 
【2】アフターフォローの充実
  @ 授業後の保健室でのアフターフォローの継続実施
  A 保健室常駐プログラムの模索
 
【3】人材の確保と育成
  @ 新たなスタッフ募集の枠組みの思考
  A スタッフ研修マニュアルの作成
推薦理由
 各地域の保健所をはじめとする“行政”との連携をすることによって、若者を中心とした予防啓発活動を教育現場で実施することに成功している団体である。
 性教育プログラムづくりはもちろんのこと、教育現場での予防啓発活動実施までのコーディネーション(特に行政との連携方法)についても、ノウハウの共有を図る試みを発展させることに期待したい。
4. FACE TO AIDS(新規)
団体名 ピアっ子あいち
代表者 多川 三紀子
主な活動地域 愛知
団体概要 ピアっ子と呼ばれるピアエデュケーターを養成し、中高生・大学生対象のピアエデュケーション講座を実施している。また、常設会場「どえありゃあピアれるピアパーク」での10代の若者を対象にしたピアカウンセリング活動も行っている。
  設立: 2004年
  法人格: なし
  有給スタッフ: 0名
  無給スタッフ: 1名
  インターン/ボランティア:36名
助成事業内容
【1】スタッフ(ティーンエージャーを指導・支援する人)による活動
  @ 第6回養成講座実施
  A ピアっ子の力量向上研修
  B 常設「どえありゃあピアれるピアパーク」の広報活動
  C HIV/AIDS予防啓発活動を行う他団体や行政事業との連携
 
【2】ピアっ子(ティーンエージャー自身)による活動
  @ 中高生・大学生対象のピアエデュケーション講座実践。
  A 常設「どえありゃあピアれるピアパーク」でのピアカウンセリング実施と若者との交流
  B HIV/AIDS予防啓発活動を行う団体のイベント参加
推薦理由
 本団体は、看護師、助産師、保健師、養護教諭、思春期保険相談士などの専門職のスタッフが連携をし、若者の活動を支援できる体制が整っている点で、高い評価を得た。また、なかなか難しいとされているピア育成を継続して実現しており、ピア育成のためのスタッフ募集、研修、実践の場づくりに関するノウハウが、団体に蓄積していることが想定され、安定した運営ができているとの評価を得ていた。
 学校内での性教育の機会が1回きりになってしまうことが多い中で、常設会場「どえありゃあピアれるピアパーク」を中心に、地域のサービスと学校現場をつなげ、若者への継続的なサービス提供に力を入れてほしい。
5. 10代の性・生をともに考えるワークショップ(新規)
団体名 NPO法人えんぱわめんと堺/ES
代表者 北野 真由美
主な活動地域 大阪
団体概要 堺市、大阪市を中心とする小・中学校で、主にCAP(子どもへの暴力防止プログラム)事業、HR(人権問題に関する啓発・学習会)事業、SAY(性・生)の会を実施している。各プログラムにおいては、子どもへのプログラムはもちろんのこと、保護者や教職員へおとなワークショップを実施している。
  設立: 1997年
  法人格: あり
  有給スタッフ: 4名
  無給スタッフ: 0名
  活動員: 20名
助成事業内容
【1】中学生・高校生への直接的働きかけ
   学校現場でクラス単位または、学年単位のワークショップを行う。
 
【2】中高生へのワークショップを効果的に行うための環境づくり
   大人(教職員・保護者など)に学校現場、または他の公共施設を借りて、ワークショップを行う。
推薦理由
 これまでCAP事業やHR事業を通し、ティーンエージャーにアプローチをする機会を多く持っている点で、これまでの事業に加え、HIV/AIDSの予防啓発に関する内容を追加していくことは、有効であるという意見が多く集まった。若者を取り巻く環境に存在する課題の一つに、HIV/AIDSがあげられるため、その他若者が抱える問題を扱うプログラムにHIV/AIDS予防を入れていくことは画期的である。一方で、HIV/AIDS予防には、それ特有のアプローチ方法を確立する必要があり、重点をおいて正面から取り組むべき大きな課題であるだけに、この機会にぜひHIV/AIDS予防のプログラムを深めてほしい。
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